令和7年11月17日 会長を務める濃尾用水協議会の視察研修を羽島用水理事長高橋副会長など17名で17、18日に実施しました。国営かんがい排水事業吉井川地区の新田原井堰は、岡山県南東を流下する一級河川吉井川沿いに広がる岡山、備前、瀬戸内、赤磐の各市及び和気郡和気町の4市1町にまたがる農業地帯、受益面積5,502haに配水し、昭和61年度の完成しています。江戸時代に備前岡山藩での水不対策にじゃかごで堰を造ったのが始まりで、撤去された田原井堰は300年以上前に築造された堰長488mの石積固定堰で、倉安川吉井水門などは世界かんがい施設遺産に認定・登録されています。現施設も老朽化対策のため下流エプロン部分をダクタルパネルライニング工法(超強度繊維補強コンクリートパネルによる表面被覆工法)による工事を施工中です。また、平成15年度に完成した新田原井堰発電所はFITの再取得をするために総事業費約23億円、工期4年5ヵ月で日本初の船形ビットを採用し令和7年10月から新たに運用開始しています。有効落差最大7.33m、使用水量最大31.3㎡/s、出力最大1,990kw、1日100万円の発電収益があるとのことです。宮田用水が管理を委託されている犬山頭首工小水力発電所は有効落差最大3.25m、最大使用水量8.0㎡/s、最大出力199kmと出力は1/10程度、収益は一割強です。犬山頭首工の老朽化対策の改修も必要となっていますが木曽川でも可能であれば採用したいところです。





満濃池は香川県まんのう町に位置する日本最大級の農業用ため池です。降雨量が少なく河川が急で短いため香川県内のため池の数は 登録されているだけで約1万4,600ほどあり、農業用に使われる水は52%もため池にたよっています。そのため下流には数多くの農業用のため池が造られています。満濃池はオリンピックプールの6,160杯分に相当する15,400,000m3。周囲は約20㎞、水深約22m、灌漑面積3000haで、水の圧力を分散させるアーチ型の堤は今から1,200年前に弘法大師空海が考案し他仕組みとも云われています。


